伝統工芸ネイル

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【開催報告】 展示会「ICHI」を終えて

2023.12.02

こんにちは、伝統工芸ネイル本家の山田です。
11月5日、6日の2日間、1年かけて準備をして参りました「伝統工芸ネイル展示会 一 ICHI」が無事開催され、
少し遅くなってしまいましたが、展示会の様子を含め今の思いを綴らせていただきたいと思います!

今回の展示会のきっかけ

3年前のクラウドファンディングへの挑戦の際、伝統工芸ネイルのネイリストメンバーの森谷哲朗先生とインスタライブでお話をしていた際に、
「コロナが落ち着いたら展示会やりたいね」というお話をしたことが、展示会開催のきっかけとなりました。
展示会といっても色々な形式があり、ネイルのEXPOのような大きな会場での展示会もあれば個展のように作品を鑑賞する展示会もあります。
どのような展示会がいいかな?と模索を繰り返した結果、ご来場くださった皆様と楽しく交流しながら、この活動に込められた想いや活動の方向性などを皆様と共有しながら未来に希望が持てるような展示会にしていく、そんな展示会を目指しました。

展示会のテーマ決め

今回の展示会、「一 ICHI」と言うとってもシンプルな名前ですが、実は何度も打ち合わせを繰り返し、考えに考え抜いて決めたテーマ。
最初はたくさんの方達と「わぁっと」楽しめるような1日を思い描いて「市 ICHI」にほぼほぼ決定していたのですが、
ここをスタートとして、という意味や、伝統工芸ネイル素材を使ってくださるネイリストさんにとってこの素材が「プラスアルファ」の新たなアートの提案になったら…一を付け足していただけたら、そんな思いから「一 ICHI」に決定いたしました。
1年かけて準備をしてきた内、最初の半年はこの方向性決めやテーマ決めで大半の時間を使いました。
何かを始めるとき、何かを企画する時、全てにおいて本当に大変なのは当日の「1」でなくその前準備に使う「9」の時間です。
この「9」の時間がなく当日を迎えると言うことは、ぶっつけ本番ということ。ぶっつけ本番で成し得ることなど存在しない。
私たちはこの「9」の時間を大切に過ごしてきたからこそ本番の「1」を、皆様と一緒に大切に過ごし、ただただ感謝に溢れた2日間を実現することができました。

展示内容

今回の展示会はたくさんの方にご協力をいただき、開催に漕ぎ着けることができました。
素敵な職人さん方やアクセサリー作家さん、そして私たちの活動を共に広げてくださり一緒に歩んできてくださったネイリストメンバーの先生方。

そして今回特別にアートをご提供くださった特別ネイルアーティストの先生方の作品も展示させていただきました。
個性豊かなそれぞれの先生方のテイストを加えて作り上げられた美しい作品たち。
私たちも何度も何度も繰り返し鑑賞させていただき、素晴らしいアイデアや素材の新たな可能性に気付かされる機会となりました。

※50音順

1日目のの催しの様子

今振り返ると2日間の展示会の中に、これでもかというほどの内容を詰め込んでしまいました。笑
七宝ワークショップや螺鈿職人工房ツアー、伝統工芸ネイルの素材を使ったアクセサリーワークショップ、ネイリストメンバーによる特別1本サロンなど…
イベントはほぼ満席状態となり、特別1本サロンは当日飛び込みでのお申し込みも多く、こちらもほぼ満席となり本当に大盛況となりました!
ご来場くださった皆様、お一人お一人がこの展示会を楽しんでくださり、交流が生まれ、その会話の中から未来への希望が見える、私たちが思い描いていた通りの展示会が実現されました。
交通費をかけて貴重なお時間を割いていただき、想いを伝えてくださる方、大切なお金を支払ってイベントに参加してくださる方、素材をご購入くださる方、皆様の一つ一つの行動がこの展示会を成功へと導き、私たちと一緒にあの場を作り上げてくださいました。

2日目の催しの様子

今回2日間の展示会のイベント内容を分けたことには理由があります。
5日の日曜日は、皆様との交流をメインにネイリスト様以外の方にもご参加いただけるような、イベント満載な1日に。
6日の月曜日は、ネイリスト様を対象としたセミナーやアートデモを中心に、スケジュールを組ませていただきました。
今回私たちが展示会の場を通して皆様にお伝えしたかったこと。
これは伝統文化が衰退してきた一つの理由でもありますが、どれだけ素材そのものが美しく、価値のあるものだとしても、それをお客様にお伝えすることができなければ価値が認められない、さらに言うとサロンの利益として売り上げに繋ぐことはできないということです。
サロンで素材を取り扱っていただく上で、そもそもお店がリピーター様で溢れている状態を作らなければサロンの付加価値や取り扱っている素材や道具などへのこだわりもお伝えし続けられない。
私たちはこの伝統工芸ネイルの素材を通して職人さんたちに仕入れとしてお金をお支払いしています。
皆様がリピートして伝統工芸ネイルの素材を購入してくださることが、文化を継続させていくことに繋がっています。
しかし皆様のサロンがお客様にリピートしていただき、素材を消費してくださる仕組みができないと、高価な伝統工芸ネイルの素材を継続していただくことができない。
だから私たちは今回、これまでにない取り組みとして、皆様のお客様がサロンに足を運んでくださるようにどのような工夫や施策が必要なのか、という内容をセミナーと言う形に組み込んでお伝えさせていただきました。
ここについてはまだまだお伝えしきれていない部分も多々あり、私たちも今回の展示会を通して2024年からの活動に反映させ、もっと皆様のサポートやフォローができる体制を整えていこうと施策している最中です。

もう少しだけ語らせてください。
私たちネイリストは「技術者」として技術を学び、今日までネイルサロンを運営してきました。
だけど同時に「経営者」であるのにも関わらず、個人サロン経営者はこの経営の勉強をすることなくサロンを開業された方がほとんどです。
私も実際にそうでしたが、27歳で娘を出産したことをきっかけにこのままではダメだと学びに投資をするようになりました。
開業前、ご自身の思い描かれたサロンの経営ができていますか?あと1年すれば良くなると言い続けて3年、4年と経ってしまったという状態ではありませんか?
もし今ドキッとされた方は、これをきっかけにぜひ一度立ち止まり、振り返り、考える時間を作っていただきたいのです。
展示会でのセミナーの様子は伝統工芸ネイル公式インスタグラムにアーカイブとして残してありますので、ぜひご視聴いただけますと幸いです。

◯ネイリスト対談 「1年目の起業家ネイリストがやるべきことセミナー」

https://www.instagram.com/p/CzS5xp1JB42/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

◯セミナー 「個人ネイルサロン経営に役立つお話」

https://www.instagram.com/p/CzSr7ImpmN_/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

コンテスト 縁 en

展示会での大トリ、初の試みとなった「伝統工芸ネイルコンテスト 縁 en 」にご参加くださった、コンテスト作品をご提出してくださった皆様、素晴らしい作品をありがとうございました。
どの作品もテーマに沿った想いから制作されていることが伝わ李、審査員一同頭を抱えながら採点させていただきました!
本当は皆様全員に賞を差し上げたいほど、素敵な作品をたくさんご提出いただき、幸せで胸がいっぱいになるコンテストとなりました。
その中でも入選した4名の方の作品をご紹介させていただきます。

一般賞

事前のWEB投票、そして現地投票の結果最も投票数の多かった作品が「縁とは円・玉村絵里」様でした。
皆様、ご投票へのご協力をいただきましてありがとうございました!

アーリー賞

当初公開していた短い期日の中、素晴らしい作品をご提出くださった「桜輪(おうりん)・多田野直子」様、
ロングネイルチップにいっぱいに広がるアイデアと素材の活用、ありがとうございました!

職人賞

七宝職人の加藤さん、螺鈿職人の山森さん、漆職人の江原さん、そして絞り職人の田端さん
4人の職人さんから選ばれたのは、「ユカリノハナ・白木美波」様でした!

七宝職人 加藤さんコメント
どれも美しく皆様の気合いの入り用に驚かされました!
七宝職人としまして、自分が作った素材をたくさん使ってもらえている作品を実際に見られて、大変うれしく思いました。
これからも、引き続きたくさん使ってください!

漆職人 江原さんコメント
どれも素晴らしいと思います。皆さんそれぞれの伝統工芸ネイルの表現の仕方はとても刺激になりました。

特賞

そして、ネイリストメンバー 本家山田愛理、出井由美先生、森谷哲朗先生、羽深有紀先生
4人の各項目ごとの採点により優勝となったのは….「雅の連鎖反応・丸川恵美子」様でした!!!

羽深先生コメント
どの作品も、それぞれの個性や持ち味、テクニックをフルに活かし、題材である「縁」というひとつのテーマにさまざまな想いを込められた素晴らしいコンテストでした。
順位を付けるのが本当に忍びなく、どれも見ていてワクワクしました。
どうやって作っているんだろう?と思わされる作品も多々見受けられ、伝統工芸ネイル素材の使い方や活かし方・美しく魅せるテクニックなどを、最大限模索・研究したのだろうなという作成背景を感じさせられました。
ぜひこれからも私たちと一緒に、伝統工芸ネイルの美しさ・楽しさに触れ、みんなで盛り上げていただけたら嬉しいです。
素晴らしい作品をありがとうございました。

哲朗先生コメント
全体を通して皆さんの作品のクオリティの高さはもちろん、発想力にとても驚かされました。
自分では出てこない発想や、それを形にする技術、
そのアートを落とし込むための労力にとても”愛”を感じ、デザイン各々、甲乙つけにくかったですが採点させていただきました。
本当に皆さんお疲れ様でした。
そして本当に素敵な作品を有り難うございました♪

出井先生コメント
伝統工芸ネイル素材の良さが輝く作品ばかりで選ばせていただくのに苦労しました。
こんな使い方があったのかと新しい発見もあって楽しませていただきました。
また、何といっても作品を時間をかけて丁寧に作られたのが伝わってきて、伝統工芸ネイルに対する愛情が伝わってきてうれしかったです。

この展示会を振り返って by山田愛理 

展示会2日間の開催から3週間が経とうとしていますが、私個人の感想を少しだけ綴らせていただきたいと思います。
まず、この2日間の展示会にご来場くださった皆様、ご来場は叶わずとも応援して見守ってくださった皆様、この活動に関わり、ご注力くださった全ての皆様に、この場を借りて再度感謝の気持ちをお伝えさせていただきます。
25歳の頃、思いつきから始まったこの伝統工芸ネイルが、皆様に認められ多くの方に力を貸していただく中でこれだけ愛されるプロダクトへと成長していけたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
何度も何度もお伝えしてきたことではありますが、私一人の力で成し得たことなど何一つなく、たくさん助けられ、支えられ、時にお叱りの言葉を受けながら、成長させていただいて歩んできた8年間の活動の道のり。
その集大成を皆様と一緒に、この「伝統工芸ネイル展示会 一 ICHI」として作り上げることができたこと、心から光栄に思います。

展示会が終わってからの1週間、展示会のあと作業に追われていたこともありましたが本当にやり切ったという充実感が大きく、達成感に満ち溢れた幸せな気持ちに浸りながら、ご来場くださったサロンのお客様とも楽しく施術させていただく日々を過ごしておりました。
少し時間が経ち、今落ち着きを取り戻す中で、「失敗した」ということは何一つないものの、やはりこの展示会を通して学び得ることが多く、2024年からの活動に向けてまたより一層大きく舵をとって進路を決定していかねばならないと感じています。
芯となる信念の部分や軸は変えることなく、それでもこの素材の素晴らしさを発信し続けていくために、活動を継続していくために、少しずつ変化をし続ける努力をしていくべきであり、時代に合わせて試行錯誤をしながら最初に述べた「9」の準備を、この先もずっと、何度も繰り返していきます。
変わらないものを愛することと、自分の方向性が変わらないことは大きく違うと感じていますし、もしかしたら「クラファンの時とはなんだか違う」と感じられることが今回の展示会の中にも、この先の私たちの活動の中にもあるかもしれません。

その時々で取り組むことの形態によって、私たちはそこに合わせて舵を取り、今回の展示会のように発信の方法やお伝えの仕方が変わることが今後もあると思います。
ただやはりお伝えしておきたいのは、信念は何一つブレていないということ。
この活動を通して伝統文化の素晴らしさを知っていただきたい、そして知った先で職人さんたちの商品にも興味を持ってくださる方がいたらぜひ伝統工芸品を購入するという形で文化継続に貢献していただきたい。
そんな想いからこの活動を継続してきましたし、ここに関しては今後も変わることはありません。
維持は後退、継続は前進。
同じ方法を繰り返すだけでは後退しているのと変わらない、継続していく=進化し続けることが前進であると考えています。
これは私たちの活動においてだけではなく、ネイルサロンを営むネイリストさんにとっても同じことですよね。
長くなりましたが展示会を通して感じたこと、それは大切な軸となる部分はブレずに持って、その軸を折らないためにも変化をし続ける努力を各々続けることが大切なのではないか。
当たり前のことではあるのですが、日々同じルーティンの中にいると見過ごしてしまいがちなこと、展示会をきっかけに再認識することができました。
このような学びと成長の機会をいただけたこと、皆様との交流を通して楽しい時間を過ごすことができたこと、心から幸せに思っています。
これからも試行錯誤をしながら日々成長し続けていけるようメンバーみんなで協力してこの活動を継続して参りたいと思います。
皆様にとってもこの展示会が何かのきっかけとなり、サロンワーク=人生を豊かにする気づきのある会であったなら幸いです。

またどこかで、皆様とお会いできることを楽しみにしています!
本当に幸せな2日間を、ありがとうございました!

伝統工芸ネイル 本家 山田愛理

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